いえさき先生のコラム

優れた五感を持った口元

2017.11.07 コラム

視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚ー人は五感を使って、外界を関知しています。これらの感覚はいづれも、人が生きていく上で重要なものです。
大切なことは、これらがすべて、口腔周囲に密集していることです。私が歯科医であるから強張しているわけではなく事実であります。

目・鼻・舌・歯牙・口唇
人の五感というものは、見事なまでに、口腔の前方(鼻先から口唇にかけてのいわゆる口元)に集中しています。
そして、これらの感覚器を使えば使うほど、脳にたくさんの刺激が送られ、脳へ流れ込む血流が上がっていくのです。
食べようとする瞬間、人はこの口元で、実に多くのことを、しかも一瞬のうちに感じ取っています。食べ物を目で見て、「柔らかそうだ」「熱そうだ」と想像し、
実際口に入れると今度は歯の感覚で「柔らかいな」と感じ取る。さらに、どのくらいの力で噛むのか、唾液がどのくらい必要かなどなど、大量の情報を瞬時に仕分けし判断する能力を備えています。
人の「食べる」という行為は、5冠を使ったたくさんの情報感知とその仕分けによって、成り立っているのです。

冷たい・熱い、硬い・柔らかい、甘い・苦い、好きな匂い・嫌いな臭い、そして圧感覚や触覚ー等々、口元で得ている情報は、実に多岐にわたります。
これほどの多くの情報を、瞬時に判断出来る摩所は、口腔前方のいわゆる口元以外にはありません。
そして人は日々、食べるという動作を通じて、これらの感覚のトレーニングを行っているのです。
さらに、食事をしながら人と会話出来るという能力まで備えているのです。
人の口・口元は、他のほ乳動物とは隔絶して発達した能力を持っています。

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