いえさき先生のコラム

睡眠時無呼吸症について

2017.11.07 コラムブログ
人が、生きていくうえで欠かせない「呼吸」

当たり前じゃないかと仰る諸兄もいらっしゃるかもしれませんが、ヒトは1日に2万回以上、呼吸を繰り返しています。そして今、呼吸に関する、ある深刻な病が注目されています。それは睡眠時無呼吸症です。それについては、もうすでによくご存じに方も多くいらっしゃるかもしれません。

もうかなり前の事ですが、2003年2月に山陽新幹線運転士の居眠り運転ために起きた列車事故がありましたね。その運転士は、肥満の中年男性で、このトラブルを起こす数年前から熟睡感がなく、昼間の強烈な眠気に悩まされており、睡眠時無呼吸症であったことがのちに発表されました。その年の10月にも名鉄で居眠り運転による事故が発生したそうです。

睡眠時無呼吸症とは、「睡眠中、10秒以上の呼吸停止が1時間当たり5回以上、もしくは7時間以上の睡眠中に30回以上起こること」をいいます。

「閉塞型」と「中枢型」があり、「閉塞型」は、睡眠中に空気の通り道である上気道が閉じてしまい、呼吸ができなくなるものをいい、ほとんどがこのタイプにあたります。健康なひとの場合でも、睡眠中は、筋肉がゆるみ、仰向けに寝ると舌が垂れ下がり、軌道は少し狭くなりますが、閉じることはありません。しかし閉塞型睡眠時無呼吸症の患者の場合は、舌の沈下が引き金になって無呼吸が起こります。

睡眠時無呼吸症の大きな特徴の一つに「いびき」があります。いびきは、鼻腔から気管支のあたり藻での空気の通り道(上軌道)が、なんらかの原因で狭くなって空気が通りにくくなることから起こります。空気が狭い所を無理に通ろうとすると、空気抵抗が大きくなり、狭くなったところの粘液や分泌物が振動して大きな摩擦音が発生したものがいびきというものです。鼻を含む上気道にはもともとほこりなどの異物を排除して肺に入りにくくしたり、入ってくる空気をあたためたり湿らせたりする機能をもっているために狭くなっている部分があります。それだけにちょっとした障害があると空気の通り道が狭まり、いびきが発生しやすくなるのです。風邪ひきのとき、疲れているとき、飲酒したときや寝入りばななど、誰でもいびきをかくことはあります。いびきがすべて危険だというわけではありませんが、朝まで続くいびき、仰向けになったときに大きくなるいびき、強弱のあるいびき、以前よりも急に大きくなり、音の質も変わって来たいびきに対しては、注意が必要です。睡眠時無呼吸症患者のいびきの大きな特徴は、いびきが一度とまったかと思うと、ガガガッという大きく苦しそうな音とともに再会されることです。いびきが止まっている間は、呼吸も止まっているため本人は息苦しさに耐え切れなくなり、無意識のうちに空気を大量に取り込もうとするために、大きな音を発生するわけですね。

いびきをかく人は、中高年男性では、約6割に達し、日本で2000万人いるとされ、そのうち推定500万~1000万人が睡眠時無呼吸症ではないかと言われています。また、年々増加傾向を辿っています。しかし実際に治療の対象となっているのは、かなり少ないといわれています。

この続きは、またこのコラムに掲載していきます。

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