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いえさき先生のコラム

コラム

国民皆歯科検診とオーラルフレイル

最近の報道でご存じの方も多いと思われますが、政府が6月にまとめるいわゆる骨太の方針で、

国民に毎年の歯科検診を義務づける制度の検討が盛り込まれることになりました。

 歯の健康を保ち健康寿命を延ばすことで、1人当たりの医療費を抑えるのが目的です。 健康で充実した食生活を支える歯。いつまでも健康な歯を保つためには、日々の手入れが欠かせないことは多くの方がすでにご存じですね。 口の弱りいわゆるオーラルフレイルを予防することで、健康寿命を延ばせることが明らかになって来たことで、この度、政府が6月にまとめるいわゆる骨太の方針に、すべての国民が毎年歯科検診をすることを目指すという方針が盛り込まれることになりました。

仙台市にある新聞社の河北新報の6月4日虫歯予防デイの社説にもつぎのような記事が掲載されました。

「歯科健診の義務化 フレイル対策に生かそう 社説(6/4)

全ての国民に歯科健診を義務付ける制度導入の検討が本格化する。丈夫な歯を維持して心身機能の低下や病気の誘発を防ぎ、医療費の抑制につなげるという発想だ。「歯と口の健康週間」(4~10日)の機会に、口腔(こうくう)ケアの重要性を再確認しておきたい。

 いわゆる「国民皆歯科健診」は、政府が5月末に公表した経済財政運営の指針「骨太方針」の原案に盛り込まれた。「第4章 中長期の経済財政運営」の項目「持続可能な社会保障制度の構築」の中で、全身と口腔の健康に関する科学的根拠の集積、オーラルフレイル対策などとともに推進事項に掲げられた。

 昨年6月公表の骨太方針では、「生涯を通じた切れ目のない歯科健診」を推進する考えが示されていた。政府に歯科医療、口腔健康管理の充実化を提言してきた日本歯科医師会(日歯)は「国民の健康寿命の延伸を図り、働き手や支え手を増やすとの方向性を国と共有している」と高く評価した。

 その上で、歯科健診の必要性は広く認知されており、妊産婦、成人期、高齢期の歯科健診の制度化を働きかけると言及した。新たな骨太方針の原案は、日歯などの意見を重く受け止めた表れだろう。

 ここ数年、重視されているのがオーラルフレイルだ。日歯も「国民の認知度は低いものの、歯科界一丸で展開する対策」と位置付けている。

 オーラルは「口」、フレイルは「衰弱」「虚弱」を意味し、機能が低下した状態を指す。日歯は「口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含み、身体の衰え(フレイル)の一つ。健康と機能障害との中間にあり、可逆的なのが特徴」と解説する。

 食べこぼす、かめない食べ物が増える、うまく飲み込めない、むせやすい、口が渇くなどが衰弱のサイン。「かめないだけなら治療に行かない」という従来の思考が、食事で栄養が取れず健康を害すという悪循環を招いていた。

 厚生労働省と日歯が「8020運動」を始めた1989年当初、80歳で20本以上の歯を保つ75歳以上の後期高齢者は10人に1人もいなかった。2016年の歯科疾患実態調査によると、75~84歳の達成者は半数以上に上る。

 そこにオーラルフレイルという新たな概念を吹き込み、早期発見による適切な対応で健康に近づけていく。業界団体が一丸となる取り組みだけに重要な政策となろう。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、この2年余りでマスクを着用する習慣ができた。口の周りを覆い、会話を控えることによって気付かぬうちに顔の筋肉を動かさない状態が続いた。オーラルフレイルが進んだ環境下にある。

 歯科健診によるフレイル予防や早期発見が口腔機能の回復、健康維持へとつながれば、健やかな地域づくりに結び付くはずだ。」