歯科Q&A

白い歯を被せるのとホワイトニングの両方がしたいのですが!

2019.10.16

色調を調和させるために重要になる「治療の順序」

ホワイトニングは歯質を切削することなく手軽に歯を白くすることができる治療法ではありますが、ホワイトニングでは改善困難な変色、大きなコンポジットレジン充填あるいは補綴処置などが施されている場合には、この処置だけでは審美的に満足できる結果を得ることは不可能です。このような症例では、患者さんの満足する審美的な治療のゴールを得るために、ホワイトニングと修復・補綴処置とのコンビネーション治療を行う場合があります。

その際に一番重要になってくるのは、ホワイトニングを行った歯と装着する修復・補綴物の最終的な色調をいかにして調和させるかということです。そのためにも、治療の順序が重要になり、これがその処置を成功させることにつながってくるのです。

色調や結果の予知が難しいホワイトニング

ホワイトニングによる歯の色調の改善度合いは一定ではなく、予想していた以上に白くなることもあれば、ほとんど変わらないような場合もあり、最終的な色調を予想することは、特にこの治療法を始めたばかりの場合では、困難を伴うことも少なくありません。また、患者さん自身がトレー装着時の違和感や知覚過敏などの理由でホワイトニングを中止してしまうようなこともあります。このように、ホワイトニングは、色調のコントロールや結果の予知が難しいと思われることもありますが、前歯部修復においてはホワイトニングを行ってから修復・補綴治療に移行するケースがほとんどです。たとえば、ホワイトニング、コンポジットレジン充填および修復・補綴治療を行う場合の治療順序は、最初にホワイトニングを行い、次にコンポジットレジン充填を行い、最後に色調のコントロールが比較的簡単な修復・補綴治療を行うという順番になります。

治療順序を間違うと取り返しがつかないケースも

また、修復・補綴治療よりも先にホワイトニングを行わないと取り返しのつかないトラブルになりかねない場合もあります。修復・補綴治療とホワイトニングを併用する症例で、補綴部以外の歯が、ホワイトニングを行ったにもかかわらず患者さんの希望する白さにならないことがあります。このような場合、ホワイトニング前に補綴装置を装着してしまうと、最終的に患者さんの望む色調になっているのは補綴処置を行った部位のみとなってしまい、ホワイトニングを行った歯と色調の調和が得られません。このような状態では、患者さんの満足を得られるはずはありません。

最初にホワイトニングを行っておけば、ホワイトニング終了時にラミネートベニアやそのほかの修復・補綴治療なども選択肢に含めた治療計画を立案することが可能です。このように、ホワイトニング終了後にラミネートベニアをはじめとした審美性の高い処置への変更を望まれる場合も想定して、ホワイトニングという処置とその到達点を患者さんによく理解していただくとともに、目標を明確にした処置を行うことが肝要です。

結論としては、ホワイトニングを最初に行った後に、修復・補綴物の作製に進むべきでしょう。

「可逆的」な治療と「不可逆的」な治療の調和を図る

作今では、日本でも白い歯を望む患者さんが多くなってきています。そのなかで、価格も比較的手ごろで歯質の切削も必要ないホワイトニングは、手軽にできる審美歯科治療として市民権を得た感があります。

しかし、前述したように、ホワイトニングと修復・補綴治療のコンビネーション治療では、可逆的な治療であるホワイトニングと不可逆的な修復・補綴との調和を得る必要があるため、治療の難易度は症例によっては非常に高くなります。

治療を成功させるためには、術前に患者さんの希望する色調をしっかり把握し、患者さんの個性を理解し、綿密な治療計画を立てることによって、適切なホワイトンニングおよび修復・補綴治療を行う必要があります。

このように、ホワイトニングという治療法は、歯科治療において単独の処置法ではなく、後に続く歯冠修復処置におけるトリートメントフローの重要な前処置ともいえるのです。

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