小児矯正
矯正治療について

子供の矯正では、歯に負担をかけて動かす大人の矯正とは異なり、骨やあごの成長をコントロールしながら歯並びの矯正を行います。
大人の矯正よりも子供の矯正を勧める理由として、歯のコントロールがしやすいだけでなく、将来的な成長過程まで見越して矯正治療を行うことが出来るからです。
また、矯正治療を行わないと、虫歯や歯周病になるリスクだけでなく、顎関節症になる可能性もあります。
当院では、そんなお子様のために早期治療をお勧めします。
子供の歯並びについて

子供の歯並びを、なるべく早い時期に整えたいと思う一方で、子供の生活に負担がかかってしまうのではないかという心配もあるでしょう。しかし、矯正治療の効果に関しては、顎の成長が終わった大人になってからよりも、子供のうちに治しておいた方が、良い場合が多いのです。迷われている方は、その治療方法も含めて、ご相談ください。
小児矯正はこんな人におすすめ
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装着期間を短くしたい
子供は大人と違って顎の成長が早いので、短い期間で治療が完了します。成人矯正は約2~3年に対して、子供の矯正は約1年で済むケースが多いです。
※ただし、個人差はありますので、治療が長くなる場合もあります。
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コンプレックスの解消
歯並びを早めに解消すると、見た目の問題が改善され、魅力的な笑顔を獲得できます。特に中学生、高校生は多感な時期です。小児矯正を行うことで自分の歯に対してコンプレックスを抱えることがありません。
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顎の曲がりが気になる
バランスの悪い咬み合わせを放っておくと、少しだけ気になっていた顎の形が、どんどん悪化していく可能性がございます。子供の頃にしっかりと矯正すれば、大きく顎が曲がっていくのを予防することが可能です。
小児矯正の治療時期による費用と目安
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一期治療 6歳から小学校中学年くらいまで
費用:すべて込みで38万程度(税別)
乳歯の時期、あるいは乳歯と永久歯が混在する時期の治療です。綺麗に永久歯が生えてくるよう、顎の形やバランスを整える矯正が中心となります。
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二期治療 小学校高学年から中学生くらいまで
費用:すべて込みで38万程度(税別)
永久歯が生えそろった段階で、二期治療を開始します。ほとんど成人矯正と同じですが、比較的治療法は安価。また、一期治療から始めた子供は、二期治療はリーズナブルなことが多いです。
保健の適用について
子供の矯正といっても、審美目的の一つであるため、基本的には保険の適用範囲外です。
しかし、顎変形症と認定された場合は、外科手術をともなった所定の治療プロセスを経ることで、保険の適用が可能となります。
T4Kトレーナーを用いた筋機能トレーニング
T4Kトレーナーシステム&マイオブレイスとは

このトレーニングは、6歳くらいの早い時期から始める歯を抜かない、固定式の矯正装置で筋機能訓練を主体としたこどもの矯正です。
固定式の矯正装置は、夜間+1時間使用し、成長に有害な口呼吸を改善し鼻呼吸を促すことによって、歯やアゴの成長を正常化させてきれいに歯列に誘導していきます。
一般的な矯正治療のイメージとして

「金属の矯正装置を利用し、ワイヤーの力で歯を動かす」「矯正治療は痛みがつらい」「歯を動かす位置を確保するために抜歯が必要なことがある」このようなネガティブなイメージから治療を始めるのを躊躇してしまう方もおられます。
また、親御さんの中には、ご自身が矯正をした経験があるため、子供に対してつらい思いをさせたくないと考える方もいらっしゃるようです。
しかし、子供の歯並びは放っておいても改善することはありません。開始時期が遅れると、本来ならば簡単な矯正治療が難しい症例になってしまうことがあります。
矯正治療を経験されたことのあるお母さんからの意見
自分の子供には絶対させたくない・・・
その理由は・・・
- 固定式の矯正装置が不自由だった自分の歯(永久歯)を抜かれた
- 矯正中の痛みで苦労した
- 矯正治療の後、保定装置を使わなかったので後戻りをしてしまった
- 矯正用のゴムで苦労した
このような矯正治療に対する嫌な思い出があり、お子さんの歯並びが悪い状態にも関わらず、そのまま放置してしまう親御さんも見られます。しかし、矯正治療の開始時期が遅れたことで、まさにかつてご自身が悩んだ「抜歯による矯正」「金属式のブラケット」しか選択肢が残されていない状況に直面します。
たとえば、学校の歯科検査などでお子さんの歯並びを指摘されて、矯正の相談に来られる方のケース。ほとんどの方は、そのまま相談すると言って治療をずるずると後回しにしてしまいます。そして、次の年の歯科検査で、より歯並びが悪化したと指摘され、慌てて治療を開始される方がいます。矯正治療は時間との勝負。決断を早めれば、様々な選択肢が選べて、負担の少ない咬み合わせの改善が期待できるでしょう。小児矯正は適切な時期を逃さないことが大切です。
そこでお勧めしたいのがT4Kトレーナーを用いたこどもの矯正治療です

T4Kトレーナーを用いた筋機能トレーニングでお子さんの「不揃いな歯並びの根本的な原因」から治療をします。
歯や顎、顔の正常な発育を促すために、舌や唇、頬などを含めた口腔周囲筋の筋力を鍛えるトレーニングを主体に治療していきます。こどものうちから口腔周囲筋を鍛えることは、きれいな歯並びに繋がります。
お子様の歯並びが気になる方は下記の質問に答え自己診断をしてみてください
鏡と水に入れたコップをご用意してチェックしてみてください
- 1.普段の舌の位置は歯と歯の間から出ているあるいは下の前歯を押している
- 2.舌の脇に歯形のようなへこみがある
- 3.唇を閉じて鼻だけでしばらく呼吸をすると苦しい
- 4.いつも唇を開けている(お口ポカン)
- 5.唇を閉じると筋肉が緊張し、オトガイ(下顎の先)にシワができる
- 6.唇を閉じるとへの字になる
- 7.水を飲むとき舌が歯と歯の間から出てコップを迎えにいく。
- 8.水を飲むとき前歯で舌を咬む
- 9.水を飲むとき唇に力が入る
- 10.サ行やタ行を発音するとき歯と歯の間から舌が出る(英会話の“th”)
お子様の歯並び判定結果
- 1または2にチェックがある。(安静時の舌の位置が正常位置に比べて上下的に低い位置にある状態)
- 3にチェックがある。耳鼻科の受診をおすすめします
- 7~9にチェックがある。異常嚥下癖(正しく呑み込みができない)
- 10にチェックがある。発音に問題あり
- 1~10のどれかにチェックがある場合は、ぜひ口腔筋機能療法を行ってみてください。
※個人差がありますので、お子様によって、当てはまらない場合も多々ございます。
T4Kトレーナーを用いた筋機能トレーニング(MRC) 目的
MRCシステムは口腔周囲筋を鍛える口腔筋機能療法です!
まず最初に、開咬や上顎前突、下顎前突といった歯並びの不正について説明します。
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開咬
口を閉じたときに、前歯に隙間が出来ている状態です。歯と歯が噛み合わず、滑舌が悪くなったり、食べ物をきちんと噛んだりすることが難しくなります
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上顎前突
上顎の前歯が下の歯より極端に前に突き出てしまっています。いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態です。
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下顎前突
一般的には「受け口」「しゃくれ」「反対咬合」と呼ばれており、下顎の前歯が上顎の前歯より極端に突き出てしまっています。
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叢生(そうせい)
叢生(そうせい)とは歯が重なりあって凸凹になっている歯並びの状態ことです。
これらの不正咬合は生まれつきでしょうか?
概要
不正咬合は、ほとんどの場合、遺伝によるものと考えられていました。しかし、最新の研究では驚くべき結果が明らかになりました。多くの不正咬合の原因は、環境的要因によるものだというのです。環境的要因には口呼吸、歯ぎしり、舌の位置、頬杖をつくなどの悪習慣があります。そのため、これらの習慣の改善と口腔機能療法を併用すれば、ブラケットを使わずに咬み合わせを正しく出来る可能性が高いのです。また、通常の矯正治療に関しても口腔機能療法を併用すると、より大きな効果が望めることでしょう。
口腔機能療法の目的は、何もしていない時でもしっかりと口を閉じられるようになること、普段から下が上顎に軽く接していること、よく物をかみ切れること、明瞭な発音が出来るようになることなどです。
悪習慣の例としては以下のようなものがあります。ご自分のお子さんが当てはまっていないかチェックしてみましょう。
口呼吸
病原菌が直接口から侵入するので風邪をひきやすくなったり、ドライマウスなどが原因で再石灰化が阻害されたり、多くの疾患の原因と指摘されています。
舌癖
何もしていないときの舌先の正しい位置は、前歯の付け根の手前に少しだけ接している状態です。これを「スポット」と呼びます。舌がそれ以外の位置にあったり、歯にくっついたりしていると歯並びが崩れる原因となります。
逆嚥下(舌突出嚥下)
授乳中心の赤ちゃんは飲み込み動作が「乳児型嚥下」です。成長するにしたがって、食べ物を噛めるようになってくると、食べ物を口の中で集めて飲み込めるようになります。これが「成熟型嚥下」です。しかし、ときどきこの移行がスムーズに出来ないお子さんがいらっしゃいます。これを「逆嚥下」と呼びます。口を大きく開けて舌を突き出すように食べ物を咀嚼するため、頬や唇に強い力が加わり、歯並びが崩れる要因となります。
口腔筋機能トレーナー(T4K)の機能と特徴

口腔筋機能トレーナー(T4K)は、乳歯から永久歯へのスムースな生え変わりと適切な顎の成長を目的に開発された治療器具で、次のような機能を持ちます。
- 口腔悪習癖の改善
- 口腔筋機能の訓練
- 歯並びの改善
- 顎位置の正常化
シンプルな構造でありながら口腔周囲筋や舌筋の筋機能訓練、いわゆる効果的な口腔筋機能療法(MRC)をおこなえるため、世界中のこどもたちの歯並びや咬み合わせを形成する器具として利用されています。
シリコン製のやわらかい軟質タイプやポリウレタン製の硬質タイプがあり、実際の治療ではお口の状態に応じて軟質タイプ~硬質タイプへと移行しながら歯並びを育てていきます。
当院の口腔筋機能トレーニング
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無料カウンセリング(20分)
女性スタッフが担当して、お母さんとこどもの歯並びに関するお話しをします。
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基本検査(約1時間)
口腔内写真・顔写真・姿勢写真・足の写真・歯のレントゲン写真・顔のレントゲン写真・歯型採り
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説明(20分)
改善方法を判断し、これからの治療計画を説明します。治療費に関するお話しなどもここでします。
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治療(30分)
食べ方や飲みこみ方、発音方法のトレーニングを通じて、無意識下の時に舌や唇が正しい位置にあるようにしていきます。通院は3週間~1ヶ月に1回程度、30分程のトレーニングをします。治療期間は始める時期(年齢)によりますが、およそ2年くらいです。
治療初回時
どのように口腔筋機能トレーナーを利用するのかをお伝えします。ご家庭での装着時間は、日中約一時間と睡眠中です。ご自宅でのトレーナー装着がメインになるので、しっかり行わないと十分な治療効果が得られないということをご注意ください。そのため、ブラケットを使わないMFT(口腔機能療法)は、ご両親の協力が必要不可欠です。しっかりと治療効果が出ているかどうか、最初は一ヶ月に一回、当院まで通っていただきます。
費用について
歯並びや歯の生え変わり状況によって口腔筋機能療法の難しさは異なってきます。第一大臼歯(6歳臼歯:6番)が生え、第一小臼歯(4番)が生え始める前くらいが一番適齢です。
犬歯(3番)・第一小臼歯(4番)・第ニ小臼歯(5番)の側方歯群が生え始めていると、口腔筋機能療法は少し難しくなってきます。第ニ大臼歯(7番)が生えてくるとかなり難しくなるため、治療を検討されている方は早めにご相談ください。
治療期間は、2年を目安にしており、症状により異なりますが、トータルで40万円~最大50万円前後の治療費がかかりますが、マイオブレース(T4Kなど)を販売しているオーストラリアのMRC(Myofunctional Research Co) が述べている4つの治療方針があります。

歯を抜かなくて済み、ブラケットも付ける必要が無く、後戻りせず、顔が良くなるといったメリットが多い上、治療期間も4~5年のところが、2年なので治療費もかなり抑えることが出来ます。当院でもブラケット治療まで行うことになると770,000円(税込)の費用がかかりますので、20万円~30万円の治療費の節約が可能という事になります。基本的には、ワイヤー矯正(Ⅱ期治療)には移行しませんが、必要な場合は、770,000円(税込)からその時点までにかかった治療費の総額をさし引いた金額で移行出来ます。
小児矯正のQ&A
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Q
治療後の後戻りが心配です
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A
小児矯正に限らず全ての矯正において戻る可能性はあります。
一般的には矯正治療後も定期的なケアを行いチェックが必要です。 -
Q
矯正中に食べられないものはありますか?
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A
装置を行っている状態で、ガムやお餅などの粘着性があるものはお控えください。装置を壊す原因にもなります。
また、色素が強いカレーやコーヒーなどは控えるようにしてください。色素沈着の原因になります。 -
Q
矯正することで、虫歯や歯周病になる可能性はありますか?
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A
食事の際は取り外し可能な装置をご利用頂きますのでなる可能性はありません。
※通常の歯磨きを行っていれば虫歯や歯周病になることはありませんが、磨き残し等があれば虫歯や歯周病になる可能性はあります。 -
Q
痛みはありますか?
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A
個人差はありますが、一般的には初めて矯正装置を取り付けた際は、多少の痛みや違和感はあります。
しかし、数日後には違和感も痛みもなくお使いいただけますのでご安心ください。