大阪市阿倍野区西田辺にある歯科 審美治療・矯正治療なら いえさき歯科へ

歯科Q&A

カテゴリー:

口腔筋機能療法

Q
矯正治療はどんな場合にするの?
A

矯正治療が必要なのは、まず歯並びや咬み合わせのよくない人です。

①叢生(そうせい):乱ぐい歯、八重歯など、歯が重なってならんでいたり、一部の歯が歯列の外に飛び出している状態。

②上顎前突(じょうがくぜんとう):出っ歯、上のアゴや前歯が前に出ていて唇が閉じにくい状態

③反対咬合:うけ口、下のアゴや前歯が上の前歯より前に出ている状態。

④開咬:奥歯でかんでも前歯がかみ合わない状態。

⑤過蓋咬合(かがいこうごう):下の前歯が上の前歯に隠れてしまうほどかみ合わせが深い状態。

⑥空隙歯列(くうげきしれつ):すきっ歯、歯と歯の間にすきまがある状態。

⑦顎変形症(がくへんけいしょう):手術が必要とされるほど上下のアゴが極端にズレていたり、変形している状態。

⑧先天異常による不正咬合:唇顎口蓋裂など。

⑨その他 かみ合わせが不安定なもの・顎関節症に関連するもの

などと歯科医師会はじめいろいろなサイトで紹介されています。

しかし、それだけではありません。

一見歯並びや咬み合わせに異常がないように見受けられても、

隠れ歯列不正や隠れ咬み合わせ不良の方も存在します。

舌の筋力のない人で、そのためにいろいろな不定愁訴を持つ場合などがそれにあたります。治療しないと健康的な日常生活が送れなくなることもあります。

人間だけでなく動物の多くは、食物を「嚙む」ことで生命を維持しています。したがってよく嚙める口を持つ人は健康です。長生きするのは良く嚙める人ですし、歯のなくなったライオンは、生きていられない事実でもこのことは証明されています。

食物がまだ食べられない赤ちゃんはお母さんのおっぱいを飲みます。実はこれも単に栄養をとるという意味だけではありません。舌を巧みに使って、乳首を舌で包み込み、そして乳首をしごくことで、おっぱいを吸うというたいへん複雑な運動をし、酸素を体にとり込むためにも舌の筋肉を鍛えているのです。

人間は生まれたときから母乳を吸いつづけます、それをまた飲み続ける行為を行い、歯が生えると同時に嚙むようになります。、そして分泌された唾液を飲むことを覚え、飲みつづけるの行為に移行していきます。これによって生まれてすぐは舌の先のほうの筋肉を作り、成長に従って徐々に舌の奥(舌根部)の筋肉を作っているのです。

ここで、見逃してはならないのが、「唾液」です。ご存じのように、唾液には消化酵素が含まれています。若返りのホルモンといわれるパロチンという物質も含まれています。唾液は健康のための調味料と言われています。これらを含む唾液を必要なだけ出すためには、「きちんとした嚙み合わせを持つ歯」と「しっかりした顎」と「筋肉のある舌」の三本柱が必要なのです。この三本柱のどれか一つにでも異常があったら、必要な量の唾液の分泌は望めません。

また、唾液を飲み込むときは、自然の、「飲む運動」の前後に小さく呼吸の動作が伴って、酸素のとり込みも行われています。飲む運動は、実は体の運動不足も補っているのです。つまり、矯正治療は、食物を嚙み、酸素をとり込む(摂食と嚥下と呼吸)という生命維持の手段そのものを矯正することにほんとうの目的があるのです。

ストレス社会である現代にはいろいろな不定愁訴がありますが、ストレスと胃はたいへん密接な関係にあります。たとえ胃が痛むようなストレスにさらされても、健康の調味料=唾液が十分に出ていれば乗り越えることができるでしょう。

「歯」「顎」「舌」は、専門用語では口腔と言いますが、口腔は消化器の一部です。胃が悪ければ胃薬を飲むのに、どうして口腔の治療はすぐにしようとしないのでしょうか。

さらに呼吸への影響から、体が酸素不足に陥っている場合もあります。もっと口腔を見直し、大切にしましょう。口は内臓の入り口であり、人間関係の窓口でもありますので口をいつもケアし大切にすることで、QOLが向上すること間違いなしです。