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いえさき先生のコラム

かみ合わせ

嚙み合わせのズレが不定愁訴を引き起こす

どうして不定愁訴がおこるのか?

だれでも、ときには眠れなかったり肩がこったりすることがあるでしょう。でも、嚙み合わせが悪いと常にさまざまな不快症状に悩まされるはめになってしまいます。背骨のゆがみと不定愁訴には密接な関係があるからです。前述のように、背骨は椎骨が積み木のように連なってできています。この椎骨の間には椎間板と呼ばれる軟骨がはさまっていて、クッションの役割を果たしています。これがあるから、椎骨への衝撃が和らぎ、椎骨同士がこすれ合うのも防げるのですね。さて、頭部を直接支えているのは首の骨、つまり頸椎とその周りの靭帯や筋肉です。これらが一致団結して重い頭を支えてるのです。個人差はありますが、成人の噛む力は約60kgといわれています。そのときの頸椎には、なんと4倍の240kgもの力が加わります。頸椎が正常であればこの力をうまく吸収分散出来ますが、悪い噛み合わせによって顎がずれると頸椎もゆがみ、240kgもとても受け止めきれなくなります。そのため、頸椎にますます負担がかかってゆがみがひどくなる、という悪循環に陥ってしまうのですね。こうなると、まわりの筋肉も異常な緊張を強いられるので、首筋や肩こり、頭痛、めまい、耳鳴りなどの症状が出てきます。

脊髄が圧迫されると痛みやしびれが

また、頸椎がゆがんで脊髄が圧迫されると、痛みや痺れ、めまい、不眠、イライラなどの症状が出てくることもありますし、血管が圧迫されると血行が悪くなります。頸椎がゆがんだだけでもこんなにさまざまな不調が現れるのですから、このゆがみが背骨全体に広がったらどうなるか、容易に想像できるでしょう。嚙み合わせが悪い人の多くは、頭痛や肩こり、腰痛などの不定愁訴をかかえています。内科を受診しても原因が見当たらず、途方にくれている人は、一度歯科医に相談してみてください。あなたの不調の原因も噛み合わせにあるかもしれません。

脊髄の役割

脊髄は脳につながっていて、全体を背骨でしっかりガードされています。この脊髄と脳を合わせたものが中枢神経で、運動や知覚、自律神経などをつかさどってます。脳の指令は脊髄を通って末梢神経に伝えられ、からだの各部の情報は、末梢神経から脊髄へ、さらに脳へ運ばれます。つまり背髄は脳と各部をつなぐ伝達路になっているのですね。

原因から元を断とう!

悪い噛み合わせは、健康上も美容上も大問題、ということはもう理解していただけたと思います、人間は1日に何千回と噛んでいます。今述べましたように、噛む力は成人で約60kgです。いつも顎が安定した位置にあって楽にしっかり噛めるのと、ずれた位置で無理やり噛んでいるのとでは、疲れが全く違うのはお分かりでしょう。しかも、毎日のことですから、その影響は甚大です。私はこれまで、たくさんの脊柱側わん症や猫背の患者さんを診てきました。なかにはからだのゆがみをとるために、一生懸命マッサージや整体に通ったという人もいます。それでも治らなかったといって、来院されるのです。マッサージや整体の先生は、どんなに腕が良くても歯の咬み合わせまでは診られません。根本的な原因を取り除かなければ、改善は望めないでしょう。不定愁訴も同じです。いくら薬を飲んでも、一時しのぎにしかなりません。対症療法ではなく、原因を元から絶たなくてはダメ、ということですね。もちろん、噛み合わせだけが原因とは限りませんし、100%治ると断言できません。でも、何をやってもダメだったからと、あきらめないでください。ひょっとしたら、アプローチの仕方を間違えていただけなのかもしれないのですから。