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いえさき先生のコラム

コラム

前歯の歯列不正が起こるわけ

永久歯の不正咬合の多くは、叢生と呼ばれるガタガタです。ほとんどの叢生は、前歯部の配列不正です。どうして前歯部の配列不正が多いのでしょうか?歯が大きいためでしょうか?
実は、そうでもないようです。歯の大きさが関係ないとしたら永久前歯の萌える前の顎の骨の中ですでに叢生だと考えられます。

ここで問題になるのが、上顎の骨の前方部の発育とその形態です。上顎の前方に切歯骨がありますが、その骨の中に中切歯(真ん中の大きい歯)と側切歯(二番目の少し小さい歯)が入っています。それら左右4本の歯がきれいにに並ぶには、切歯骨を出来るだけ大きく発育させることが極めて重要です。

切歯骨を発育させるには、遺伝もありますが、口腔機能の発育が欠かせません。乳幼児期は、ほ乳に関わる口唇・舌の力が、上顎前方の発育を大きくします。続いて前歯が生えてくる頃に、最近あまりしなくなったかも知れませんが、手づかみでワイルドに食べ物をかじったり、引きちぎったりする力が、乳歯の前歯の根っこを介して骨や骨と骨の縫合部までそうとうな力として伝わるでしょう。

このことで縫合部に骨が添加し切歯骨はどんどん発育します。そして奥歯が生える時期になると、咀嚼の基本ができあがり、上顎全体への刺激も一段とまします。滞りない機能の発達は、上顎の前歯部を丸型にしてくれます。

よく噛むことで発育空隙と呼ばれる歯と歯の間のすき間が出来き、サイズのひと回り大きい永久歯が生えてくる準備をしています。永久歯がきれいに並び丸型に配列されるわけです。三角型やV字型の上顎の前方部になる場合は、口腔機能の発達不足による切歯骨の発育不全と言えます。

前歯が生え変わるころに前歯を使って食べ物を手づかみでワイルドになめる・しゃぶる・かじることで切歯骨の発育を促進させることができます。