いえさき先生のコラム
歯が1本抜けただけですか?
近い将来、認知症や寝たきりにならないためには、「一本目の歯」を失わないことが大切です。いずれ失うとしても、失う時期を少しでも遅らせることが健康寿命を延ばすことにつながります。
残念ながらすでに歯を失っている方は、いまある歯をできるだけ残すようにするとともに、義歯などでかみ合わせを正しく治しておくことが大切です。
というのも、私たちの歯の咬み合わせは、通常、上下左右の28本の歯(親知らずがない人の場合)で絶妙なバランスが保たれており、噛む時に上下の歯がうまく対になるようになっているからです。
それが1本目でも欠損すると、噛みあわせの対になる歯の噛む機能も失うことになり、ほかの歯に負担が広がります。
たとえば、噛み合う相手を失った対の歯には歯垢がつきやすく、それが原因で歯周病やむし歯になり、対の歯まで、失うことになりかねません。そして、それをそのもも放置すると連鎖するように、また別の歯も失う可能性が高くなります。
あるいは、右側の歯が失われた場合は、右側で噛みづらくなって左側ばかりを使うようになります。左側の歯に過剰に負担がかかると、歯が割れたり、歯周病になりやすく、ついには左側の歯も失うことにつながります。
1本失った段階で、そのリスクに気づき、歯科医院で処置を行ったうえで、ご自身でも適切な歯と歯ぐきのケアを行うことが重要です。1本しか無くなっていないでは、なく最初の一本が無くなってしまったのです。放置していると、坂道をゆっくりと悪い方向に転がり始めます。放置が長引くほどに、加速度がついて行き、あとはもう坂道を転がるがごとく、次から次へと歯を失うドミノ倒しのような連鎖に襲われることになります。
その連鎖を食い止めるには、少しぐらい機能が落ちても、できるだけ最後まで歯を残す、歯を守り抜く努力をすることが大切です。
それがひいては、あなたの健康寿命を延ばすことにつながります。
歯を失ったことで、将来、認知症や、寝たきりにならないための歯と歯ぐきの正しいケアを、今日から始めてください。
歯を失う二大原因は、歯周病とむし歯です。失われた歯の9割近くはこれらの病気が原因です。
そして、これらの病気の治療法や予防法はすでに確立しています。実行すれば必ず効果が得られます。
この記事のお問合せ先:阿倍野区西田辺のいえさき歯科
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