いえさき先生のコラム
まずは自己診断で歯周病を見つけましょう。
歯周病は気付かないうちに進行してしまう恐ろしい病気です。歯周病の初期の段階では、自覚症状もほとんどなく進行すると歯が抜け落ちていく病気となって行きます。自分にはまだ歯周病ではないと思っている方も、まずはお口の状態をセルフチェックしてみましょう。歯周病のチェックは、専門家でなくても簡単にできます。
ウエブ上にも、いくつかの質問に回答することで歯周病のリスクを判定できるさまざまな自己診断表が出回っていますが、下記の歯周病のセルフチェックも、私たち歯科医がその妥当性を確認したものです。
- 年齢は40歳以上ですか?
- 歯磨きをするとよく出血しますか?
- 歯肉(歯ぐき)が赤く腫れることがありますか?
- 歯がグラグラすることがありますか?
- 硬いものが噛みにくいことがよくありますか?
- 現在たばこを吸いますか?
この3つの質問に対して、「はい」の点数の合計が30点以上あれば「歯周病のリスクあり」と判定されます。
たとえば、50歳で喫煙している人は、それだけで25点+15点で40点になり、「歯周病リスクあり」となります。
40歳以上の人では、2~6の項目のどれか1つ当てはまれば、もうそれで歯周病リスクありという結果になります。当然、点数の高い人ほど歯周病リスクがたかくなります。30代の日本人の約8割に歯周病の症状が見られるとの調査結果もあるので、30点以上であれば、すでに歯周病になっていると考えて対策を打ったほうがいいでしょう。
そのほかにも、「朝起きたときに、口の中がネバネバする」「口臭が気になる」「(歯根が出てきて)歯が長くなったような気がする」「前歯が出っ歯になった」「歯と歯の間にすき間が出てきた」
などの症状が一つでもあれば要注意です。
いずれも歯周病の症状の一つになりますので、当てはまる項目が多ければ多いほど、歯周病になっている可能性が高くなります。
自分も歯周病かもと感じる症状が、もし出たらすぐに歯科医院にご相談になってください。歯周病は、特別な病気ではありませんので、歯周病専門医でなくても近くの歯科医院でちゃんと診てもらえますので、ご安心ください。
当院でもそうですが、歯周病らしい患者さんが、来られたらまず、歯周組織検査を行います。歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の動揺などを数値として客観的に調べる検査です。この検査は、歯周病の診断を行う上でとても重要な検査となります。進行の程度や、治療法の決定において有用資料となりますし、治療が進み治療の評価を行う上でも重要なデータとして活用できます。
初期の状態であれば、1~2か月で、健康に近い状態にもどりますので、予防法を十分理解してもらい実践することで、予防も比較的簡単にできます。しかし、進行して重度の状態で発見された場合は、様々な治療法を用いても、治りが悪く、治っても半年、一年以上の治療期間を要することも少なくありません。また、健康に近い状態に戻っても安定せず、再発防止も容易ではありません。
早期に発見して早期に治療を行い、予防法を身に着けることが極めて重要です。
もう一度、チェック表に従って歯周病になっていないかどうかのご確認をおススメいたします。
この記事のお問合せ先:阿倍野区西田辺のいえさき歯科
電話:06-6634-4500
HP:www.iesaki.net