矯正治療を続けておりますと、様々な場面で、スペースを新たに確保する必要性が生じます。
今回は、スペース確保方法の中で最も難しいとされる「臼歯遠心移動」を達成する装置の
一つカリエールディスタライザーについてお話いたします。
臼歯遠心移動を行う方法として、ヘッドギア・ハーベスト・ペンディユラム装置といったものがあります。
上の写真のように、かなり大きな装置です。
臼歯遠心移動にはいくつか方法がありますが、このカリエールは、いったいどのような装置なのでしょうか?
とてもシンプルな装置で効果は、抜群です。
そもそも、臼歯遠心移動は最近まで、非常にむつかしいことと言われてました。
しかし、現在では色々な方法が登場し、カリエールもその一種といえます。
形態は棒状のものを歯に貼り付けるだけ、非常に簡単シンプル!
使用方法もゴムをかけるだけ簡単シンプルです。
それではまずどのようなものかを見ていただきましょう。
上の金属の棒状の装置がカリエールと呼ばれるものです。
最も典型的な使用方法は、3番目と6番目の歯にカリエールを貼り付けます。
上の3番目と下の歯の6番目の歯にゴム輪をかけ上顎と下顎を引っ張り合いします。
ゴムは一日中使用(食事をするときは除く)が原則です。
そうすることにより、上の臼歯には全体的に後方への力が伝わります。
唯一の欠点としては、金属なので目立つことですかね?
プラスチック製の透明タイプも選べるようになっていますのでご安心ください。
多少違和感が、あります。
受け口用の透明タイプはまだ発売に至っていません。
比較的短期間で抜群の効果が期待できます。
「カリエール」は一言でいうと、「おいし~い!」と思われる装置です。
なぜなら、臼歯部遠心移動を行う上でとても有用な装置だからです。
「目立たない方がいい」「治療期間が短い方がいい」「費用を抑えたい」等々
色々とご希望があろうかと思いますが、
良い方法であることは、間違いありません。
今後は、この装置を治療の選択肢として選ぶことで患者さんの福音にることでしょう。