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コンポジットレジン(CR修復)の魅力と注意点
抜かない・削らない・素早く治せる!しかも安価で美しい!

コンポジットレジンってどんな素材?

レジン(resin)とは、従来松ヤニなどの天然樹脂を意味する言葉でしたが、のちに合成樹脂もレジンと呼ばれるようになり、今では「プラスチック」とよく似た、意味あいの広い言葉となっています。手芸をされる方は、レジンと聞くと、アクセサリーなどを作るときのクラフト素材を想像するかもしれませんね。透明で粘度の高い液体で、ボタンやパーツを貼り付ける強力な接着力があり、しばらく放置しておくとしっかりと固まります。どんな形にも加工できますし、もともと透明ですから、自由に着色することもできます。

歯科医院で使われるコンポジットレジンも、本質的にはそれらと同じような特性を持っています。医療用に用いられる樹脂ですから、強度や安全性には特に念を入れて作られています。コンポジットとは「混合の」という意味で、コンポジットレジンは、合成樹脂(レジン)にフィラー(ガラスやセラミックなどの鉱物の微粉末)を混合して作られています。このため、一般的なレジンよりも強度が高く、また色や透明感などが天然の歯に近いという特徴があります。光線を当てることで硬化する「光重合型」と、2種類のペーストを混合することで硬化する「化学重合型」があり、さらに両方の機能を兼ね備えたディュアルキュア型のものまであり、施術方法によって使い分けられています。また、コンポジットレジンは、メーカーや製品によって成分に違いがあり、さらなる審美性や強度を求めて現在も改良が続けられているため、「コンポジットレジン」といっても、さまざまな性質・品質の物があるということを覚えておいていただければと思います。

さて、コンポジットレジンはどのように使われるのでしょうか?

コンポジットレジン充填

コンポジットレジンは、歯科治療の中でさまざまな使用法があります。
最も代表的なものとしては、小さな虫歯の治療・修復でしょう。ペースト状の軟らかいコンポジットレジンを患部に充填し、硬化させることで治療は完了します。このため、ほかの治療法に比べて歯を削る量が少なく(歯を削らなくても済む場合もあります)、非常に治療時間が短く見た目が白く自然できれいというメリットがあります。コンポジットレジン充填には保険が適用できることも大きな魅力でしょう。

ダイレクトボンディング法

コンポジットレジン充填は、イメージとしては「レジンを充填して歯の穴を詰める」というものですが、これに対し、歯を削らずに歯の表面にコンポジットレジンを塗り重ねて歯の色や形状を修復したり、コンポジットレジンで歯の造形を行ったりできる「ダイレクトボンディング法」というものがあります。ダイレクトボンディング法は、保険適用のコンポジットレジン充填とは異なり、仕上がり後の歯の審美性を重視する施術法なので、使用するコンポジットレジンも、保険適用で使用するものよりも審美的に高品質で、患者様の歯の色に合わせた、自然な仕上がりが期待できます。このため、変色した歯の表面にコンポジットレジンをコーティングして、色を整えるという施術法もあります。

コンポジットレジンのデメリット

コンポジットレジンは樹脂ですから、軟らかく加工しやすいという長所がある一方、強度面に問題があります。このため、大きな力が加わると割れたりすり減ることがあります。また、広範囲の修復には向いていませんし、大きな虫歯の治療や、噛む力が強い方は別の治療法を選択します。
たとえば、食べ物を「すりつぶす」「噛みつぶす」という役割を持つ大臼歯の場合、部分的な治療にはコンポジットレジンを使えても、歯をまるまるコンポジットレジンで作るということにはかなり無理があります。歯に強力に接着しても、使用する部位によってはコンポジットレジンの部分がはがれたり折れたりしまうこともあります(ただし、この場合は再びコンポジットレジンで修復することが可能で通常その場元に戻すことも可能なので安心です)。

コンポジットレジンのデメリットとしては、数年単位で着色・変色が見られます。また、樹脂ですから、すり減ったり、割れ・欠けが生じたりしやすいという傾向も見られ、寿命があると考えるべきでしょう。(ただし、再びコンポジットレジンで修復することが可能で通常その場元に戻すことも可能なので安心です)。

まとめ

日進月歩なコンポジットレジン

 

コンポジットレジンとはどのような素材か、どのような治療に用いられ、どんなメリットがあるのか。そして、どんなデメリットがあるのかということをお話してきました。軟らかく加工しやすいコンポジットレジンは、歯と強力に接着できることを利用して、歯科治療の進歩に大きく貢献したすばらしい素材です。しかし、やはり樹脂ですから強度や耐久性面において弱点であるということもご理解いただけたのではないでしょうか。上記でも説明したとおり、審美歯科用のコンポジットレジンは保険適用のものとは品質面で大きな違いがあり、強度・耐久性とも、近年特に進化が著しい素材であることも事実です。
また、費用対効果という面で1本当たり1万円(税別)くらい~と比較的お手頃という点も魅力に感じられるかもしれません。