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いえさき先生のコラム

歯列不正の大きな原因は、何でしょうか?

歯列不正の原因として以前から一般的には以下のような事柄があげられてきました。

①乳歯の虫 歯乳歯の虫歯を放置してしまったり、歯医者さんで抜いてそのままにしていると、永久歯の並ぶだけの十分なスペースが確保できなくなって不正咬合になってしまいます。
虫歯の場合は早めに治療し、早めに抜いてしまった場合はその隙間を保持しておくような処置が必要です。

②悪習癖 爪を咬む、タオルケットを咬む、指しゃぶり、唇を咬む、おしゃぶりの常用など。
指しゃぶりや何かを咬む癖があると、前歯が開いた咬み合わせ(開咬)や出っ歯(上顎前突)になってしまいます。
乳幼児期のおしゃぶりの使用は生理的なものですが、3歳くらいで止める事をお勧めしています。

③口呼吸 ただ単に悪習癖として口呼吸をしてしまっている場合と鼻疾患によって鼻で呼吸することが困難なため口で呼吸している場合があります。
前者の場合は悪習癖の除去、後者の場合は鼻疾患の治療が必要となります。口呼吸は唇の筋肉と舌の力のバランスが崩れるために様々な不正咬合の原因となります。また様々なウイルスをそのまま肺に送り込んでしまうため、健康にも悪影響があります。

④遺伝 歯並びが直接遺伝するというよりは、骨格が遺伝します。
特に顕著なのは反対の咬みあわせ(反対咬合)です。反対の咬み合わせの原因は、遺伝によるものが少なくありません。この場合は早めに治療を開始し、正しい前歯の咬み合わせを確立させ成長期に備えることが大切です。

⑤環境 食生活や体の健康も不正咬合には関連があります。
適度に運動をし、良く咬んで食べ、健康に生活することが口腔内の健康にもつながります。

歯列不正は、歯並びや咬み合わせの土台となる顎の成長発育と大きく関係があります。成長発育の過程のいつ、どこで、正常になったり異常になったりするのでしょうか。舌は、筋肉で出来ていますが、その舌を始めとする口腔周囲筋の発達と関係すると考えられます。それも特に、生後特に3歳から十歳くらいまでの間です。これはちょうど歯が生えてくる前から、永久歯に生え変わるまでくらいの時期にあたります。つまり、生まれてから順調に舌や他の口腔周囲の筋肉の発達が進まないと顎の発達も悪く、未発達の顎には歯の生えるスペースが少なくなります。歯が大きい割に生える場所が不足しますから、結果的には隣どうしの歯が重なり合ったりしたガタガタした乱ぐい歯と言われる小さい歯列になってしまうわけです。こうなると今度は、舌は歯列に囲まれていますから、歯に押さえられ舌も正常な状態を保てなくなってしまいます。

上と下の歯列は、①内側からの舌、②外側からの頬の筋肉、③前方からの唇の筋肉の三つの要素によって、位置が決まると言われています。永久歯がきちんと並んで正常に嚙み合うには、舌の筋肉が発達し正しい位置にあることがとても重要です。舌が正しく発育成長し、正しい位置にあると、例えば下の顎に生えた第一臼歯(六歳臼歯)は生えてきたとき舌の方向に向かって生え、それが舌の筋肉の発達で頬の側へ立ち上がってきます。これによって上の歯が外へ誘導され、上の顎が発育します、その前方の歯も同じです。すなわち、舌の筋肉の発達によって歯列は大きく成長するのです。