いえさき先生のコラム
上下の顎の発育バランスについて
赤ちゃんはかわいいですね。そう、どの赤ちゃんも頭でっかちで目が大きくてかわいいのです。頭蓋骨の大きさはほぼ大人並みなのに、それより下の顔の部分が小さい、つまり下顎が発達していないので、おのずと目も大きく見えるというわけです。そんなかわいい赤ちゃんも、だんだん成長するにつれて大人の顔になっていきます。
人間の顔の発達、すなわち赤ちゃんの顔から大人の顔になっていくということは、主に下の顎が伸びていくことなのです。
つまり、歯並びや嚙みあわせという面から見てみると、うえの顎に並ぶ歯が下の顎に並ぶ歯にきちんと嚙み合って(上の歯並びが下の歯並びより外側にかぶさっている状態)いて、下の顎が成長するのに伴って上の顎も広げられていくのが顎の成長です。
人間はこの自然がつくった上下の歯列のかぶさりの関係によって、下の顎の成長を行きすぎないようにコントロールされ、単独ではほとんど発育しない上の顎も下の顎の成長・発育に伴い、内側から押されるようにして均等に発育することができるようになっているのです。