いえさき先生のコラム
体調不良と親知らずについて
親知らずは、三番目も大臼歯で、歯列のいちばん奥にある歯です。この歯は進化的に見て、徐々に必要とされなくなってきているため、先天的に生えない人もいますが、だいたいの人は大人になってから生えてきます。親知らずは生えるスペースが足りないため、歯ぐきに埋もれた状態でも、生える途中でも他の歯を前へ前へと押していきます。歯は隣どうしの接点が点ですから、その接点が少しでもずれると、その押す力で隣どうしの歯は見る見る重なり合っていきます。特に前歯が重なりやすく、その分、歯列が小さくなってしまいます。こうなると噛み合わせが深くなっていき、顎が後方へずれていくことになり、体の不調の原因になったりします。また、親知らずは正常に生えたとしても、奥に生えるので、舌の付け根に近い場所に位置しているため舌の動きを邪魔しがちで、酸素不足を招いたりして、やはり体の不調につながってきます。つまり、いずれにしても、親知らずは要らない歯ということになり、早い時期に抜いてしまったほうが、全ての面において安全といえるでしょう。