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いえさき先生のコラム

cytokine(サイトカイン)

サイトカイン

免疫に関与する低分子(小さい分子量)の特定のタンパク質の総称のこと。サイトカインには免疫や炎症に関与する物質が多く、主として特定の細胞間の情報伝達を担っている。さらに、細胞同士の相互作用や情報の伝達と交換、細胞動態にも影響を与えており、細胞の生存や正常な維持に欠かせない物質である。

具体的には、インターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、細胞壊死因子(TNF)、各種のコロニー刺激因子をはじめとした多様な種類があり、現在までに数百種発見されている。シグナルの伝達等の細胞レベルでの働きや、炎症や免疫、生体の防衛への関与といった機能的側面からの分類と、構造的な特長による分類が可能である。

1979年以降、物質的に同定されたものからインターロイキン(ILと略期)と呼び統一し、通し番号をつけることが国際的に提唱された。IL1からIL18までがよく知られている。免疫系に関する研究は、日本を含めた世界各国で活発に進められている。研究成果は日進月歩であり、新しいサイトカイン物質の発見や、その作用について、多くの論文が発表されている。インターロイキンについては、すでにIL28やIL29が発見され、さらにそのサブグループについての研究も進んでいる。

活性酸素

活性酸素と老化の関係

活性酸素によって細胞が攻撃されると、細胞膜の脂質が酸化し、細胞で行なわれる「栄養と老廃物の出し入れ」が、スムーズに行なえなくなります。また、細胞の核が損傷すると細胞が死滅したり、 LDLコレステロールが酸化されると血管の老化を促進します。このように活性酸素は細胞を傷つけたり死滅させることによって、老化を促進するということが分かっています。

活性酸素って何?

活性酸素が増えると体によくない・・・最近そんな話をよく耳にしませんか。肌のしみやしわといった老化現象から、動脈硬化やがんなど多くの生活習慣病の原因として、活性酸素がクローズアップされています。

活性酸素とは、「ほかの物質を酸化させる力が非常に強い酸素」のことです。私たちは呼吸によって大量の酸素を体内に取り入れてますが、そのうちの役2%が活性酸素になるといわれています。

活性酸素は殺菌力が強く、体内では細菌やウイルスを撃退する役目をしています。ところが活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子をも攻撃(酸化)してしまうのです。

<活性酸素が関与する主な疾患>

動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、がん、糖尿病、胃潰瘍、肺炎、脳血管性治呆症、アルツハイマー型治呆症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、白内障、未熟児網膜症など。

人体の細胞更新速度(Cell update rate of the human body)

1,新陳代謝

人体は、1日で1兆個もの細胞を入れ替えています。不要になった細胞は死んで、その近辺の元気な細胞の数は、役60兆個で、単純計算すれば、毎日1兆個の細胞が入れ替わり、1ヶ月で30兆個、2ヶ月で60兆個が新しい細胞になっていきます。

2細胞

人体を構成している細胞は、約250種であり、その更新速度は、各々の組織」や臓器によって、次の4につ大別されます。

速やかに更新される細胞:表皮,角膜,消化器系上皮組織,精巣上皮,造血組織,リンパ組織など

ゆっくり更新される細胞:呼吸器上皮,尿細管上皮,肝細胞,膵臓,結合組織細胞,胃の壁細胞,副腎皮質細胞など

生涯に一度しか更新されない細胞:平滑筋細胞,脳神経膠細胞,骨芽細胞,副腎髄質細胞,褐色脂肪細胞など

生涯更新されない細胞:神経細胞,心筋細胞,セルトリ細胞など

3主な細胞の更新速度

脳:早い細胞は1ヶ月で約40%、遅い細胞は約1年で全て入れ替わる。

胃の粘膜:約3日で全て入れ替わる。

腸の微絨毛:約1日で全て入れ替わる。

肝臓:早い細胞は1ヶ月で約96%、遅い細胞は約1年で全て入れ替わる。

腎臓:早い細胞は1ヶ月で約90%、遅い細胞は約1年で全て入れ替わる。

筋肉:早い細胞は1ヶ月で約60%、遅い細胞は約200日で全て入れ替わる。

皮膚:約1ヶ月で全て入れ替わる。

血液:4.5~5.0リットルの血液は100~120日間で全て入れ替わる。

骨:幼児期は焼く1年半、成長期は約2年未満、成人は約2年半、70歳以上は約3年で全て入れ替わる。

肌:10歳代で約20日周期、20歳代で約28日周期、30歳代で約40日周期、40歳代で約55日周期、50歳代で約75日周期、60歳代で約100日周期で全て入れ替わる。

生まれてから死ぬまでかわらない細胞も

赤血球はDNAを持っていませんので、自らを治療することはできません。血液循環による酸素運搬が体内で行なわれる4ヶ月ぐらいを過ぎると、血流から排出されます。

白血球の中には2ヶ月くらいしかもたないものもあります。感染症から体を守る働きをしている好中球のような細胞は数時間しかもちません。死滅した好中球は擦りむいた膝の膿みとなります。

あなたの骨細胞は定期的に入れ替わっています。しかし、細胞で作られたわけではなく、細胞で組み立てられた骨格は、完全に新しいものとなるのには10年はかかります。

しかし、ほとんどの心筋細胞のような、骨格にくっついている細胞はそうではありません。あなたの心筋細胞、心臓の筋肉の細胞はなかなか入れ替わりません。あなたが20歳を過ぎると年間1パーセントしか入れ替わらない上、歳を取るとさらにその速度は遅くなるのです。

あなたが人生の終焉を迎える時ですら、心筋細胞は半分しか入れ替わっておらず、半分は生まれた時の細胞のままで終わるのです。

細胞のなかには決して入れ替わらない細胞も存在します。最初の成長で決められると、生涯にわたって変わらないものです。例えば、生物学的に女性であると、生まれつき卵母細胞、卵細胞を持って生まれるのですが、生涯それは変わりません。

また、男性であれ女性であれ、歯のエナメル質を増やすことはできません。大脳皮質に存在しているような神経系なども入れ替わりが効きません。アルツハイマーやパーキンソン症を事前になんとかできないはそのためです。それにしても、どうして私たちはこんなことを知っているのでしょうか。特別な細胞に期待はかけられないようですが。

細胞についてわかるようになったのは、実は戦争があったからなのです。冷戦時代の核兵器による爆発は大気中に大量の放射性物質を放出しました。放射線同位体の炭素、炭素14です。

炭素14は酸素と結びつき、あなたの細胞やDNAを含む、全ての種類の生物の組織に取り込まれてしまう、ダイオキシンを生み出します。

DNAは生涯一新されることはありません。そのため、炭素14はそのままの水準で体内に蓄積され続けます。

このことから、スウェーデンの研究者は、細胞に残された炭素14の濃度を量ることで、一新されない細胞の年代がわかると言うことを発見したのです。その研究のおかげで、核兵器の爆発以前の大気中に炭素14はどれだけ含まれていたのか、そして、それ以降炭素14の水準は減少傾向にある、と言うことを知ることができるのです。

例えば、核実験が始まる前にあなたのおばあちゃんが生まれたのだとしたら、大脳皮質の神経に炭素14の痕跡は見られないはずです。ご存知の通り、大脳皮質の神経細胞は一新されませんからね。その神経細胞はうまれたときからのものでしょうから。その一方でおばあちゃんの骨や肌、血液細胞は異なった水準の炭素14を示してくれるでしょう。つまり、どの細胞が、どのくらいの割合で生まれ変わっているのかを示してくれるのです。

つまり、核実験に感謝・・・・なのですかね?人体の神秘の謎を解明かしたのですから?

IL-1産生細胞

IL-1は主に単球、マクロファージ系の細胞が産生するが、NK細胞、T細胞、B細胞、内皮細胞、メサンギウム細胞、肥満細胞、滑膜細胞、好中球、繊維芽細胞、アストログリア、神経細胞など、非常に多くの細胞もIL-1を産生する。誘導物質としては、細菌、スピロへータ、ウイルスなどの微生物。エンドトキシン(Lipopolysaccharide;LPS)、muramyldipeptide(MDP)などの菌体成分、IL-1、TNFa、colony stimulating (CSF)、transforming growth factor-beta(TGF-b)、nerve growth factor(NGF)などのサイトカイン、サブスタンスP、Kなどの神経伝達物質、シリカ、TPA、Creactive pro-tein(CRP)、フィブロネクチン、ロイコトリエン、補体結合免疫複合体、補体成分(C3a,C5a)などがある。ケラチノサイトは常にIL-1aを産生しているが、紫外線照射により産生量が増加する。炎症時には、単球、マイクロファージ、好中球、肥満細胞などが主要なIL-1産生細胞である。がん細胞のなかには恒常的にIL-1を産生しているものがあり、細胞接着分子の誘導や金属プロテアーゼの産生を促し、がんの悪性化、転移や病態に寄与している。グルココルチコイドやプロスタグランジンE2(prostaglandinE2;PGE2)は種々の細胞からのIL-1産生を抑制し、IL-4、IL-10、IL-13はマクロファージからのIL-1産生を抑制する。

炎症反応とIL-1微生物感染や組織損傷を伴う急性炎症時に伴う発、熱白血球増加、血漿中金属イオンの変動、急性期タンパクの増加など種々の変化にはIL-1が重要な役割を果たしている。

IL-1Raインターロイキン-1レセプターアンタゴニスト

単球、マクロファージからIL-1とともに産生される。

Il-1raは、Il-1のレセプターへの結合を競合的に阻害することにより、IL-1活性を抑制する。

したがって、IL-1raがIL1と比べて著しく過剰に産生されると、IL-1活性が抑制され、その結果として炎症反応が抑制される可能性がある。

多くの炎症性疾患や感染症で、血中あるいは病変局所でのIL-1ra濃度の上昇が報告されている。

また、関節リウマチ、敗血症ショック、急性骨髄性白血病、炎症性腸疾患などでIL-1ra投与による病態の改善が数多く報告され、治療薬としても注目されている。

関節リウマチ(rhenmatoid arthritis;RA)は全身、特に手足の」関節における慢性炎症である。また、RAは女性に多い、遺伝因子、環境因子、性ホルモンの影響を受け、なんらかの理由で滑膜液中にIL-1、TNFa、IL-6などの炎症性サイトカインに対する抗体やインヒビターがRAに劇的な治療効果を示している。

ILをターゲットにした慢性炎症性疾患の治療

IL-1は様々な慢性炎症性疾患のメディエーターであることから、その作用を阻害する治療薬の開発が進んでいる。最も臨床応用が進んでいるのは IL-1Ra(IL-1receptor antagonist:IL-1ra、IRAPとも呼ばれる、商標名アラキンラ)である。IL-1Raは、IL-1RI、IL-1RIIに結合するがアゴニスト活性のない体内に存在するIL-1インヒビターである。IL-1RaのIL-1RIに対する親和性は、IL-1a、bと同程度であるが、IL-1RIIに対しては、IL-1の103 104分の1である。また、in vitroでは、IL-1作用を50%抑制するためにはIL-1RaはIL-1の10 100倍量、完全に抑制するためには100 1000倍量必要である。種々の動物疾患モデルでIL-1Raの有効性が明らかにされている。

(familial cold autoin%ammatory syndrome;FCAS:腹部、胸部、関節の疼痛と腫脹を伴う発作性に起こる発熱を特徴として、周期的に症状が繰り返される遺伝性の病気)

マックル・ウェルズ症候群(Muckle-Wellssyndrome;MWS)新生児期発症多臓器系炎症性疾患/慢性炎症性神経皮膚関節症候群(neonatal-onset multisystem in%ammatory disease/chronic in%ammatory neurological cutaneous articu-lar syndrome;NOMID/CINCA)の3つのフェノタイプがあり、Pyrin(NLRPインフラマソームの構成成分)遺伝子の異常として家族性地中海熱(familial Mediterranean fever;FMF)、IL-1Raの次損が原因のde’ciencty of the interleukin 1receptor antagonist(DIRA)、TNFレセプター遺伝子の異常としてtumor necrosis factor receptor-associated periodic syndrome(TRAPS)、メバロン酸キナーゼ遺伝子の異常が原因の高IgD症候群(hyper immunoglobulinemiaD syndrome;HIDS)、LPIN2(phosphatidate phosphatase)遺伝子の異常としてマジード(Majeed)症候群、proline-serine-threo-nine phosphatase interacting protein1(PSTPIP1)遺伝子の異常が原因のPAPA(パパ)症候群(py-ogenic arthritis with pyoderma gangrenosum and acne syndrome;PAPA Syndrome)があり、いずれもIL-1bの過剰産生、あるいは、異常活性発現(DIRAの場合)を伴う。これらの自己炎症性疾患にアナキンラが治療効果を示す。興味深いことに、アナキンラには、MWSでみられる感音性難聴の改善がみられる(Table3)。さらに、II型糖尿病の合併症、痛風、ベーチェット病、急性心筋梗塞後の心筋肥大、シュニッツラー(Schnitzler)症以上のような経過を踏まえ、IL-1Raのヒトへの臨床応用がなされている。ヒト敗血症ショック患者を対象にフェーズIIIでのIL-1Raの効果が調べられたが、動物実験でみられた劇的な効果は認められなかった。また、臓器移植に伴うステロイド抵抗性の17名の移植片宿主反応患者にIL-1Raを投与した結果、皮膚、腸、肝でそれぞれ57%、82%、18%の改善が認められた。関節リウマチを対象として、10000人以上の患者に投与され効果が調べられた結果、炎症、痛み、症状の改善が認められた。候群(慢性的な蕁麻疹、周期的な発熱、骨痛、関節副作用は、注射による局所反応と軽度の易感染症痛、体重減少、倦怠感、疲労、リンパ腺、脾臓、肝である。しかし、TNFインヒビター投与でみられる日和見感染、特に結核感染はみられなかった。臓の肥大を伴う原因不明の疾患、成人スティル病(adult onset Still’s disease;AOSD:発熱、関節痛、皮疹を主症状とする疾患、突発性再発性心膜炎(idiopathic recurrent pericarditis)などの炎T細胞、B細胞の関与しない自然免疫系の遺伝子異常で発症する自己炎症性疾患がある。症状としては、全身性炎症を持続あるいは繰り返し、発熱、皮症性疾患や多発性骨髄腫にも有効であり、その対象 膚・関節・眼などにおける炎症を伴う。クリオピリ疾患は広がりをみせている。ただし、アナキンラの関節周期熱症候群(cryopyrin-associated periodic syndrome;CAPS:NLRP3遺伝子異常で起こるNLRPインフラマソームの活性化の効果IL-1bの過剰産生が起こる)として、家族性寒冷自己炎症症候群欠点として、半減が短いため毎日皮下注射しなければならないということがある。