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骨の少ないインプラント患者様のために!バイオメット社のT3ショートインプラントを導入しました!

一般的なインプラントの長さは7mm~15mmと言われています。インブラントを埋める部位の骨の高さや厚さなどが足りない場合には、インプラント埋める手術を諦めることになるケースもありました。ジンビー社(2022年ジンマー社とバイオメット社が合併のため社名変更)製T3ショートインプラント5mmサイズが日本に登場したことにより、骨の高さが足りなくインプラント治療を諦めていたケース、歯槽骨の骨造成をおこなわなければならなかったケースへも、対応できるようになりました。そこで今回は、T3ショートインプラントについて詳しくご紹介してまいります。

ジンビーhpより引用

ジンビー社とは?

正式名称:ジンヴィ・ジャパン合同会社 (旧社名:ジンマー・バイオメット・デンタル合同会社)

ZimVieは、歯科および脊椎外科領域において、インプラント及び外科手術機器のほか、デジタル技術を活用した治療管理ソリューションなど、それぞれの分野に幅広い製品群を提供する医療機器メーカーとして、2022年にZIMMER BIOMETからのスピンオフ(分社化)によって設立されたとことです。

合併前のもともとのジンマー社は、整形外科領域の人口関節のトップメーカーであり、人工関節の技術を歯科に応用して生かしています。

今回ご紹介したT3ショートインプラントが誕生し、歯槽骨の再生治療をおこなわずにインプラント体を埋入できる可能性がひろがりました。

T3ショートインプラント

インプラントは、顎骨に埋入するフィクスチャー(インプラント体)と上部構造(フィクスチャーに取り付ける補綴物)、インプラント体と人工歯を繋げるアバットメントの3構造になっています。インプラント治療をおこなう際には、顎骨にフィクスチャーを埋め込み(埋入)、骨とフィクスチャーの素材であるチタンが完全に結合し、その上にその人のかみ合わせに合った上部構造を装着することで失った歯の代わりをしてくれます。

歯槽骨の量や高さや厚みが少ない場合、(従来のインプラントでは高さとして10ミリ以上厚みとして10ミリ以上は必要)長さ8ミリ以上のフィクスチャーを埋入することができませんでした。無理に埋入すると、神経血管を傷つけたり圧迫したり上顎では上顎洞を傷つけるリスクが大きくなり、安心してフィクスチャーと歯槽骨が完全に結合することが難しく、歯槽骨を再生する治療をおこなわなければ、インプラントを埋入することが出来ませんでした。

これまでのインプラントの長さは8mm~15mmくらいが標準でありましたが、T3ショートインプラントのフィクスチャーはなんと5mmという短さです。5mmと短いためフィクスチャーの骨と結合できる表面積が少ないため骨との結合が十分でないと安心して使用できませんが、ジンビー社の最新の技術で骨とフィクスチャーの高い結合が得られることが解っています。T3ショートインプラントの登場により、これまで歯槽骨の再生治療をおこなわなければインプラント治療をおこなえなかった患者さまも、歯槽骨の再生治療をおこなわずにインプラント治療がおこなえるようになりました。

 

T3ショートインプラントでは、フィクスチャーと歯槽骨がどのくらい結合できるのでしょうか?

 

インプラント体の長さ5mmを実現させ、歯槽骨の再生治療をおこなわずにインプラント治療をおこなえる可能性が広がったことで、患者さまの負担を軽減させることになりました。T3ショートインプラントでは、インプラント体と歯槽骨の結合率をあげるためジンビー社の最新の技術が投入されています。

インプラントと歯槽骨の結合率をあげるポイントは、①表面性状②初期固定力の2点です。フィクスチャーの骨との結合部分の表面積が大きいほど歯槽骨の結合率はあがることは解っています。そのため表面積を大きくするためにこれまで表面性状を出来る限り凹凸のある粗い表面に仕上げる技術が開発されてきました。T3ショートインプラントには、それらの技術が注ぎこまれています。フィクスチャー全体に凹凸の表面性状を施すために、吸収性リン酸カルシウムによるブラスト処理をおこない粗面加工(10~µm)更にはブラスト処理をおこなった表面にW酸処理をおこないミクロ加工(1~3µm)し、インプラント体全体に平均1.4㎛の粗さを実現させました。

インプラント全長に施されたDCD®(Discrete Crystalline Deposition)処理によるナノレベルの表面性状

また、表面性状を粗くさせることで初期固定力を向上させることにもできました。初期固定とは、フィクスチャーと骨が結合する上で、インプラント体の表面性状と並び重要と考えるポイントであります。T3ショートインプラントでは、DCD サーフェイスを採用しています。

ジンビーhpより引用

DCD®(Discrete Crystalline Deposition)

ブラスト処理 + ダブル酸処理された表面上にナノレベルのHA結晶を溶着させることで、更に微細で複雑な表面を実現 (写真: 10-100nmのHA結晶 ×30,000)

ナノスケールのDCD(Discrete Crystalline Deposition)を施しナノトポグラフィー表面をインプラント体全体に形成し、許容誤差を極限まで抑えるために精密な設計をおこない、フィクスチャーとの適合性を高めることで、初期固定力を向上させインプラント体と歯槽骨の結合率を更に高めることを成功させました。

またMP-1®HAコーティングの技術も応用することもそれに役立っています。(MP-1®HAコーティングとは、プラズマ溶射法により形成されたHAコーティング層をジンビー独自のMP-1処理によりHAの結晶率を97%にまで高めた表面処理のことです。

97%に高められた結晶率により、溶解、消失に対して高い抵抗値を示します。表面粗さは約4.9μmで、コーティング層の厚みは約50μmです。)

 

インプラント周囲炎リスクの軽減

インプラント体の表面性状を出来るだけ粗くすることは重要ですが、粗くすればインプラント周囲炎のリスクが上がると言われています。インプラント体の表面性状に、W酸処理をおこなったミクロ単位の凹凸(凸と凸の距離が1~3㎛、凸から凹の高低差5~3㎛)の表面をオッセオタイトと呼び、オッセオタイトとインプラント周囲炎発症リスクが問題視されて時期がありませたが、その問題もT3ショートインプラントは、クリアできています。

オッセオタイトを採用したT3ショートインプラントは、独自の5年追跡の臨床研究によれば、全長にダブル酸処理を施したオッセオタイトインプラントはカラー部を機械研磨したハイブリッドインプラントと比較して、インプラント周囲炎、軟組織の合併症発生リスクの上昇を示すことはなかったことが解り、リスクの少ないハイブリッドインプラントと比べてもインプラント周囲炎リスクを抑制できるとのことです。

 

フィクスチャーと人工歯をつなぐアバットメント

インプラント治療は、フィクスチャーを歯槽骨に埋入し、埋入したフィクスチャーと歯槽骨の結合を待って安定した結合が認められた場合に、インプラント体とこれから被せる人工歯をつなぐアバットメントと呼ばれる芯になる装置を装着します。

アバットメントは、特許をとったゴールドコーティングしてあるGold-Titeスクリューを搭載し、ゴールドコーティングが気密性などを保持できるシーリング材の役割となり、インプラント体と人工歯の締結力と安定性の向上を実現しています。ゴールドタイト・スクリューを用いることで、ゴールドコーティングスクリューでないものと比較して113%まで締結力が向上。( サーテン・インターナルコネクション)ゴールドタイト・スクリューのゴールドコーティングがシーリング材となり締結力を増大させることで、アバットメントの安定性を最大化しています。

アバットメントはフィクスチャーと人工歯をつなぐ役割の他にも用いられています。インプラント体とアバットメント結合部にくびれであるプラットフォームスイッチングを採用し、インプラント体とアバットメント結合部を内側に絞り歯槽骨から遠ざけることで、食べ物などを咬み込む力である咬合力による歯槽骨の吸収を防ぎ、その可能性をノンプラットフォームスイッチングと比べ50%軽減させました。

ジンビーHPより引用 このくびれが重要です。


T3 Short インプラント症例ジンビーhpより引用

 

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