大阪市阿倍野区西田辺にある歯科 審美治療・矯正治療なら いえさき歯科へ

いえさき先生のコラム

インプラント精密義歯

インプラントの始まりと、現代のインプラント治療の開発

インプラントは、最近開発された最新の治療法と思っている方が多いように思われますが、実は7世紀のマヤ文明やインカ帝国においてすでに行われていたことが判っています。たとえば南米インカ帝国の遺跡からは顎の骨に歯の形に削った貝殻や、サファイヤなどを埋め込んだ人骨が発見されていますし、もっと以前のエジプトでも、象牙の歯が植えられた人骨が見つかっています。現代のように科学的に立証された方法ではなかったため、決して長持ちはしなかったと考えられますが、太古の昔から何とかして失った歯をもう一度取り戻したいという思いは強く歯の代わりのものを顎に埋め込むというアイデアは、有ったのです。

では一体いつごろから人間の顎の骨に強固でしかも長期間安定して固着するインプラント(人工歯根)が開発されたのでしょうか?古くからさまざまな材質(金・サファイア・エメラルド・アルミニウム・ステンレス等)を使ったインプラントが研究されてきましたが、人の体に異物が入り込んだ場合、この異物に対してアレルギーを起こし、排除しようという働きが生じます。このため長期間にわたり安定して骨を結合する方法は考えられなかったのです。1940年代ごろからインプラントは、普及し始めます。ニューヨーク州立大学教授であったレオナルド・リンコーにより「チタンブレード」という方法開発されました。 “インプラントのパイオニア”と言うべき方法で、インプラント普及に大きな功績がありました。

その後、1952年、スウェーデンの整形外科医・ペル・イングバーグ・ブローネマルク博士が、研究のためにウサギの足に埋め込んだチタン製のプレートが骨と完全に結合していることを偶然発見し、この現象をオッセオインテグレーションと名付けました(オッセオは「骨」、インテグレーションンは「結合」という意味)。その後、博士は基礎研究を続けながら、オッセオインテグレーションを利用したインプラントを開発しました。そして1962年にチタンで出来たねじのような形をした現在のインプラントの基になるタイプのインプラントを初めて臨床応用されたのです。その後、15年以上にわたる臨床試験のデータをもとにブローネマルクシステムを確立し、高い成功率のもと、1980年代に入って欧米を中心にチタン製のインプラントが世界中の臨床の場に普及していきました。現在、発表されているブローネマルクシステムの20年累積残存率は、上顎90.00%、下顎92.03%と報告されています。

では、インプラントと天然歯にはどのような違いがあるのでしょうか。天然歯もインプラントも骨のなかでその骨に支えられています。一番の違いは、天然歯は顎の骨と直接くっつくのではなく、骨との間にある0.2㎜ほどの歯根膜と呼ばれる靭帯を介して保持されていることです。これに比べインプラントは顎の骨とダイレクトに結合しています。このため天然歯はつまんでゆすると歯根膜の厚み分(0.2㎜程度)動きますが、インプラントは全く動きません。また、天然歯の中心には神経や血管が入っており生きていますが、インプラントは人工物なので、この神経がありませんので、冷たいものがしみるなどの感覚はないのです。

インプラントが信頼を得て臨床に応用されるまで、なくした歯を補うには取り外し式の入れ歯にするか、両隣の歯を削って橋渡しをする(ブリッジ)という治療法しかありませんでした。

取り外し式の入れ歯は、前後の歯に金属のバネでひっかけて入れ歯を固定しなければならないために、金属が目立つとか、食べ物がくっついて溜まるなどの違和感や不快感があります。

また、歯が1本もなくなってしまった場合は、総入れ歯で歯肉を覆ってその吸い付き(吸盤の原理)のみで安定させなければなりません。このため、すぐに外れたり歯肉に当たって痛かったりとたいへん噛みにくいうえに、食べ物の味がわかりにくくなったりしゃべりづらいなど、天然歯に比べて数多くの欠点があります。

ブリッジは両隣の歯に橋渡しをするため、まったく問題のない健康な歯を削る必要があります。場合によっては歯の神経を取ろことも多く、大きなリスクを伴います。また、抜けた歯が多いケースでは支えとなる歯が足りず、ブリッジでは無理がある場合もあります。

どちらにしろ、入れ歯・ブリッジ共に残っている歯に相当な負担をかけることとなり、また汚れもたまりやすいため、むし歯や歯周病などのリスクが高くなり、結果的に残っている歯の寿命を短くしてしまうことになってしまいます。

一方、インプラントは顎の骨に人工歯根を直接植え込みますので、周囲の歯に負担がかからないどころか、植え込んだ人工歯根全体でしっかり歯を支えてくれますので、周囲の歯の負担は軽減され、残っている歯が長持ちするという結果につながります。入れ歯やブリッジは、歯を補う治療ですが、インプラントは、歯を増やす治療です。そこに大きな差があります。

噛む力も天然歯とほとんど差がなく、快適に使用することができますので、食事がおいしく胃腸に対する負担もかるくなります。また、脳への刺激や免疫物質を多く含む唾液の分泌を促進するという効果もあり、入れ歯やブリッジを使っておられる方に比べて、認知症の予防にもなり、健康的で長生きされる方が多いというデータも出てきています。

ある研究では、インプラント治療によってしっかり噛めるようになることで、約6~7年寿命が延びるという結果がでています。

見た目も入れ歯やブリッジと違ってごく自然ですから、前歯にも入れることが出来るので、口元も美しくなり、精神的にも充実してイキイキと若返られる方が多いようです。これがインプラントの最大のメリットと言えるでしょう。

最後にインプラント・ブリッジ・入れ歯のメリットとデメリットをまとめてみました。歯が抜けてしまったときは、それぞれのメリットデメリットを考慮して何を選択すればよいか、歯科医師とよくご相談になってください。

インプラントのメリット①周囲の歯に負担をかけない②健康な歯を削らなくてすむ③しっかり固定されて取り外しする必要がない

インプラントのデメリット①治療費が高額になる②外科手術が必要

義歯(部分入れ歯)のメリット①健康な歯を削らなくてすむ

義歯(部分入れ歯)のデメリット①支える歯に余計な負担をかける②違和感が大きい③バネなど見た目に劣る④毎晩取り外す必要がある⑤飲み込むリスクがある⑥会わないと歯肉が痛い

ブリッジのメリット②取り外ししなくてすむ

ブリッジのデメリット①両隣の健康な歯を削る必要がある②支える歯に負担がかかる③食べ物が詰まりやすく口腔内が不衛生になりやすい

いえさき歯科のインプラント⇒こちら

この記事のお問合せ先:大阪市阿倍野区西田辺のいえさき歯科

電話:06-6624-4500

HP:www.iesaki.net

インプラント