いえさき先生のコラム
歯科で保険適用にもなったコンピュータ技術
CAD/CAMという言葉を聞いたことはありますか?
少し専門になりますが、CAD(キャド、Computer Aided Design)は、コンピュータ支援設計とも呼ばれ、コンピュータを用いて設計をすること。また、CAM(キャム、Computer Aided Manufacturing)はコンピュータ支援製造の略語で、製品を製造するために、CADで作成された形状データを入力データとして、生産準備全般をコンピュータ上で行うためのシステムです。工業分野では、30年以上も前から使われていた技術ですが、扱うものが3次元で極めて小さい歯なので、歯科への応用は、遅かったです。人の手によって行われていた設計作業をコンピュータによって支援し、効率を高めるという目的から、これまで主として金型工業界で行われてきたCAD/CAMによる成形が、ようやく歯科技工物の製作にも実用化され、保険適用の人工歯の作成にも使われるようになりました。
歯科におけるCAD/CAMでは、まず、特殊なカメラを使って3次元的な歯の形をコンピュータに読み込ませ、デザインを行います。これをもとにコンピュータ制御で、セラミックブロック(セラミックの塊)を削って成形するのです。
歯を直接カメラで撮影する方法と、歯形を従来通りとって模型を作り、その模型を撮影して読み込ませる方法がありますが、今のところ、クリニックで歯形をとって模型を作ってからCAD/CAMを使用することが多いです。
口の中では、唾液や出血があったり歯肉が邪魔になったりして精密にできないことやデジタル口腔内スキャナーが、高価であったためなかなか普及していませんでしたが、この1~2年でかなりの普及を見せており、いえさき歯科でも5年前に導入したものの使用頻度は、あまり多くありませんでしたが、今年に入ってからそちらへの切り替えを目指して、使用頻度を上げています。
CAD/CAMの精度は近年ますます高くなり、かなり精密な物が作れるようになってきていますが、今のところ最終的なチェックや修正には熟練した歯科技工士による手作業が不可欠です。
また、自然の歯と見分けがつかないような素晴らしいアート(芸術)とも言えるオールセラミッククラウンを作るには、たとえジルコニアのフレームをコンピュータで作れたとしても、熟練した歯科技工士の目と手をかける必要が今でもまだあります。。
奥歯の金属が気になる方は、セラミックインレーで白い歯に
TVドラマなどで役者が大きく口を開けたときに銀歯がキラリと光るのはとても気になるものですが、メタル(金属)の詰め物をセラミックに替えるだけで白く美しい歯が甦ります。
奥歯には大きな力が加わるため、以前は耐久性に優れたメタルが用いられましたが、ジルコニアなど強度のあるセラミックが開発され、今ではセラミックインレーを詰めるだけで白い歯にすることが可能になりました。役者に限らず一般の人にもセラミックインレーに替える方が増えています。CADCAMインレーと呼ばれるい保険適用のハイブリッド材料の白いインレーも今年の4月から保険適用になり、患者さんにも喜んでいただいています。今後も、歯科医療のデイジタル化が進んでいくものと考えられますが、いえさき歯科でもデジタル化への脱皮を図り、患者さんに喜んでもらいたいです。
この記事のお問合せ先:大阪市阿倍野区西田辺のいえさき歯科
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