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いえさき先生のコラム

コラム

歯周病予防法についてー禁煙は最大の歯周病予防策

診察に来られた初老のサラリーマンの患者さんです。

喫煙をしており、上の左右の奥歯が重度の歯周炎でグラグラしています。

腫れも痛みもあるとのことですが、仕事が忙しく、慢性的な疲労で、なかなか治療に専念できないとのことでした。

それが、60歳で定年退職され、時間にも余裕ができ、「思う存分、奥歯で食べたいものを食べたい。そのためにはどうしたらいいでしょう?」とあらためて相談を受けました。

そこで、「数年前にも説明しましたが」と切り出し、あらためて喫煙と歯周病の関係を説明しました。

まず、喫煙は歯周病リスクを最大8倍高めます。

紙巻たばこ、電子タバコなどいろいろな種類がありますが、どのたばこでも歯周病の影響は同じです。

喫煙者が歯周病になりやすい箇所は決まっていて、この患者さんのように、上顎の奥歯の裏側です。下の歯は唾液に浸されているので、たばこの煙の影響が少ないのに比べて、上顎の奥歯の裏側は唾液の恩恵にあずかることが少なく、歯周病が進みやすいのです。

喫煙者が歯周病になった場合、もう一つやっかいな点があります。

通常、歯周病になると歯磨きをしたときに歯ぐきから出血します。それが歯周病に気づくきっかけにもなります。

しかし、たばこを吸っている人は、たばこの煙によって血管が収縮して、出血しづらくなっているので、歯周病になっていることに気づきにくいのです。

喫煙者は、たばこを吸わないことが歯周病予防につながります。

これまでたばこを吸ってきた人でも、禁煙することで健康な歯ぐきを取り戻すことができます。ただし、禁煙して5~10年経たないと、たばこの影響は完全には消えません。

そんな説明をすると、男性は意を決して禁煙されました。

禁煙後しばらくすると、歯ぐきの腫れがなくなり、歯周病の進行は遅くなりました。

そして、禁煙して数か月後、ふたたび診療に現れた男性は、「何とか食べたいものを噛めるようになりました」とおっしゃられ、いまでは定年退職後の生活を楽しんでいるとのことでした。

この例をみるまでもなく、禁煙は歯周病予防につながり、有効な歯周病の治療法でもあると断言できます。

この記事のお問合せ先:阿倍野区西田辺のいえさき歯科

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