大阪市阿倍野区西田辺にある歯科 審美治療・矯正治療なら いえさき歯科へ

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歯が動く原理は…

阿倍野区西田辺で矯正治療を行っているいえさき歯科の家崎です。今回は、歯が動く原理についてお話します。

器具をつけたときに歯がどういうふうに動くかということを知っておきましょう。器具装着後2~3日は歯が浮いた感じがしたり、痛みとして感じることが普通ですが、歯の動く原理を理解すれば、痛みの感じ方も違ってくるものです。矯正器具を装着する目的は、ごく弱い力を歯に加えることにより、歯を少しずつ動かすことです。図にも示したように、歯に力が加わると、その方向(a)の骨を壊すための細胞(破骨細胞)が作られ、歯根膜に圧迫の力による炎症が起こり、歯槽骨の吸収が始まります。このときに起こる炎症は一時的なものですが、歯根膜炎という状態になるわけですから、当然、痛みが生じ、軽い人でも違和感を覚えます。一般的に、器具をつけてから歯槽骨の吸収が始まるのは2~3日後といわれ、痛みや違和感もこの時期に感じるのです。この痛みに個人差があって、平均3日間ほどですが、1週間痛かったという人、1日だけの人、次の来院までずーっと痛かったという人とさまざまです。また大人では早く治療したいと言う気持ちからでしょうか「歯が動いているのだ」と実感できるので痛いのがうれしい?という人もいます。一方、痛くない矯正はないのですかと聞かれることもあります。それはごく弱い力を使えばできないことはありません。しかし、それでは歯の動きが非常に遅くなってしまい、期間もかかります。歯の動きはそれぞれに個人差があって、早く、スムーズに動いてくれる人と、ゆっくりゆっくり動いていく人とがいます。私の経験からいうと、虫歯のない人や少ない人は歯の動きが早く、虫歯の多い人はゆっくりという傾向があります。ただ、動かす力をむやみ強くするわけにはいきません。というのは、強い力をかけると歯が死んでしまうからです。歯がもとの位置から移動し、すき間となった側(b)の歯槽骨が完全に新生(新しく生まれ変わる)するのは、患者さんの年齢や体質によってもかなり違いますが、2~3ヶ月の期間が必要だといわれています。以前にも述べましたが、歯の移動は自然に逆らわずに行うのがいちばんいいのです。たとえば痛くてもいいから早くということで、急ぎすぎると、あとで歯根の吸収などが起こり、長持ちしないといわれます。結局、歯を動かす力は強すぎても弱すぎても効果は上がらないのです。その微妙な適当な力はどの程度なのか、つまり、理想的な「矯正力」とはどの程度なのかは、古くからいろいろな研究がされています。