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いえさき先生のコラム

むし歯

歯磨きより頼りになる2つのむし歯予防法

歯科を受診し、むし歯の部分を削って金属や樹脂などの材料を詰めてもらったら、「虫歯を治してもらった」と患者としては思います。

しかし、実際は治したののではなく、次の虫歯ができる始まりとなります。

簡単に考えるとむし歯で失った歯の部分を、金属や樹脂など歯とまったく異なる材料で置き換えただけといえます。

歯と詰めた金属や樹脂などの境目には接着剤があり隙間を埋めてくれています。

その接着剤は時間とともに劣化して、唾液の中に溶けだしたり、剥がれ落ちたりして失われ、やがてすき間ができます。そのすき間にむし歯菌が繁殖し、酸によってまた歯が溶かされ、次のむし歯ができます。

食生活など生活習慣が同じなら、たいてい5年以内に再治療が必要になります。

また、口の中は、温度差がとても激しい過酷な環境です。

熱いお茶やラーメンは60度以上ありますし、アイスクリームはマイナス10度以下です。これだけで70度以上の温度差があります。

金属は熱くなると膨張し、冷たくなると収縮します。

歯の表面自身は、詰めた金属ほどは温度によって変化はしないので、温度による変化の少ない歯と変化の大きい金属との境目では、温度変化によるひずみが生じます。

そのひずみができた場所で接着剤が剝がれるなどして隙間ができ、そこにむし歯菌が入り込むのです。

しかも、このすき間には、歯ブラシの毛先は入らず、歯ブラシでこすってもむし歯菌を取り除くことはできません。その結果、新たなむし歯ができやすくなります。

つまり、むし歯になったという事は、むし歯菌によって酸がつくられやすく、歯が溶けやすい環境ができているということです。

巣に穴があいた歯の部分を別の素材で補ったとしても、同じようなむし歯ができる状況は変わっていません。

むし歯ができないためには、むし歯ができる環境を根本的に改善する必要があります。

そのための一番の近道は、砂糖を摂らないようにすることです。

もう一つは、長い間、歯に詰め物をしていたり、歯の根が露出したりして、むし歯のリスクが高まっている人なら、フッ素入り歯磨き剤を使うことです。

この二つを実践するだけで、むし歯になるリスクは一気に低くなるのです。歯磨きは、良い習慣ですが、歯磨きが予防のすべてではありません。いろんな予防法を重ねて、虫歯予防に取り組んでください。