いえさき先生のコラム
年齢に応じた口腔のセルフケアの大切さ
口腔のセルフケアには、それぞれの年代や状況にあった目的と方法があり、乳幼児期、学齢期、成人、妊婦、高齢期に応じて、変えていく必要があります。
まず、乳幼児期では、歯、歯ぐき、口腔機能の発育促進と、むし歯予防が中心になります。
乳幼児期のむし歯予防には、市区町村や歯科医院で行うフッ素塗布が有効です。
また、乳幼児は、噛む力、飲み込む力など口の機能の発達が重要です。その噛む力、飲み込む力をつけるために、その子の発育に合った食生活が求められます。
乳幼児期に、将来にわたって歯を診てもらえる、かかりつけの歯科医を持つことも大切です。まずは、小児歯科で口の機能の発育状況を診てもらうとともに、むし歯予防のためのフッ素塗布もお願いしてください。
学齢期は、むし歯予防を中心に歯肉炎予防も始めたい時期です。
乳歯から永久歯への生え替わりの時期で、奥歯(第一大臼歯と第二大臼歯)が生えてくる時期でもあります。生えて間もないころの歯は、表面が未成熟で弱く、特にむし歯になりやすいので、自宅でフッ素入り歯磨き剤の使用と、フッ素うがいを励行しましょう。
また、歯科医院で、むし歯を予防する目的で、歯ブラシの毛先が届かない奥歯の溝に、シーラントという樹脂を流し込む処置を行ってもらうのも有効です。
生えたばかりの未成熟の歯は、その後、唾液のカルシウムなどを吸収して、年月とともにむし歯に対してだんだん強くなっていきます。
歯肉炎は、小学校の高学年くらいから多くなります。このころに自分で自分の歯ぐきを観察してきちんとブラッシングできるようになることが、その後に歯肉炎から歯周炎へと進ませないために重要です。
成人になったら、歯周病予防のためにしっかり歯間のブラッシングを行いましょう。フッ素入り歯磨き剤の使用とフッ素うがいも忘れずに続けましょう。
妊婦は、胎児と母体の健康を守るために、とくに歯周病予防に力を入れる必要があります。第二章でお話ししたように、歯周病は低体重児出産のリスクを高める危険性があるからです。
さらに、中高年期から高齢期になると、歯周病、むし歯予防、および口腔機能の維持が重要になってきます。
それはこれまでお伝えしてきた通りです。年齢別の個別のセルフケアについてはまた、いずれのべさせて頂きます。
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