いえさき先生のコラム
ホワイトニングで痛いと感じるのはなぜ?痛みを抑える方法は?
ホワイトニングは、比較的簡単な方法で歯を白く、美しくできますが「痛い」という話を耳にした方もいらっしゃるでしょう。確かに、ホワイトニングの種類や処置の仕方によっては、痛いと感じる場合もあるため、その点は事前に正しく理解しておく必要があります。ここではそんなホワイトニングで痛いと感じる理由や痛みを抑える方法を詳しく解説します。
目次
ホワイトニングとは
歯科医院のホワイトニングとは、過酸化水素や過酸化尿素といった漂白作用のある薬剤を使って、歯を白くする方法です。健康な歯質を削る必要はありませんが、使用する薬剤の種類や歯の状態によっては痛みが生じる可能性があります。とくに作用の強い薬剤を使うオフィスホワイトニングには注意が必要です。
ホワイトニングって痛いの?
結論からいうと、ホワイトニングに伴う痛みには個人差があります。上述したオフィスホワイトニングでも、痛みを一切感じない方もいれば、歯がキーンとしみる知覚過敏の症状に悩まされる方もいます。そうした違いは主に、歯質の状態に左右されるといえます。
私たちの歯の表面を覆っているエナメル質は、とても硬く、歯の神経を外からの刺激からしっかり守ってくれるのですが、何らかの理由で傷がついていたり、亀裂が入っていたりすると、そこからホワイトニング剤がしみ込んで痛みを生じさせます。
ですから、健全なエナメル質を持っている方は、ホワイトニングで痛みに悩まされることもほとんど無いといえます。また、比較的作用の弱い薬剤を使用するホームホワイトニングでも、歯がキーンとしみる痛みは生じにくいです。
なぜホワイトニングで痛みを感じるのか
歯科医院のホワイトニングで、痛みが生じる原因は以下の4つに分けられます。/p>
原因1:一時的な知覚過敏
知覚過敏は、誰にでも起こり得る症状です。冷たい食べ物や飲み物を口にした時に歯がキーンとしみた経験は皆さんにもあることでしょう。そうした知覚過敏は数か月、場合によって数年に1回くらいの頻度で起こるものなので、過剰に心配する必要はありません。
原因2:歯にひびや欠けがある
歯の表面を覆っているエナメル質に、ひびや欠けがあるとそこからホワイトニング剤がしみ込んで、歯の神経を刺激します。これも知覚過敏の一種ではあるのですが、上述したものとは異なり、ホワイトニングを行う度に同様の症状が現れる可能性が高いです。そのため歯科医院ではホワイトニングを行う間に必ず、患者様の歯にひびや欠けがないかを調べます。
原因3:虫歯になっている
ホワイトニングをする歯に虫歯がある場合もほとんどのケースで痛みが生じます。虫歯があるということは、エナメル質に穴があいており、場合によっては神経まで露出しています。その状態で漂白作用のあるホワイトニング剤を使うことも極めて危険であることから、十分な注意が必要です。
歯周病になっている
歯周病は、歯ぐきが腫れる病気なので、ホワイトニングの痛みとは何ら関係がないと思われがちです。もちろん、歯ぐきが腫れている部分にホワイトニング剤が接触すれば強い痛みを伴いますが、そうしたトラブルは歯科医師や歯科衛生士が未然に防ぐことができるため心配する必要はありません。歯周病で注意すべきなのは、歯ぐきが下がる症状です。歯根面にはもともとエナメル質が分布しておらず、象牙質やセメント質といった比較的やわらかい歯質が表面を覆っていることから、歯周病で露出すると外からの刺激を受けやすくなります。
ホワイトニングで痛まないために必要なこと
ここまでは、歯科医院のホワイトニングで痛いと感じる原因について解説してきましたが、痛みを抑える方法についても知りたいことかと思います。次に挙げる5つを実践するだけでもホワイトニングで痛みが生じるリスクは大幅に下げられます。
方法1:歯のひびや欠けを修復する
エナメル質の表面にひびや欠けが認められる場合は、コンポジットレジンなどで修復しましょう。そうした傷は歯がしみやすくなるだけでなく、虫歯リスクも増加させることから、早期に修復するのが望ましいです。
方法2:虫歯治療を受ける
虫歯がある場合は、ホワイトニングを行う前に必ず治療で治しておいてください。
方法3:歯周病治療を受ける
歯周病は、軽度の段階で治療を受ければ、歯ぐきや顎の骨の破壊を防げます。
方法4:知覚過敏用の歯磨き粉を使う
知覚過敏の症状を抑えることができる歯磨き粉を使って、外からの刺激から歯を守りましょう。
方法5:歯科の定期検診を受ける
歯科の定期検診を受けていれば、エナメル質のひびや欠け、虫歯、歯周病といったトラブルを早期に発見できるだけでなく、予防することも難しくありません。
まとめ
今回は、ホワイトニングで痛いと感じる原因や痛みを抑える方法について解説しました。ホワイトニングで感じる痛みは主に知覚過敏で、エナメル質にひびや欠け、穴があいているものと考えられます。歯周病で歯ぐきが下がり、歯根面が露出している場合も歯に痛みが生じやすくなっているため注意が必要です。そうした歯や歯ぐきのトラブルを一つひとつきちんと解決することで、ホワイトニングに伴う痛みは解消できます。